積み木

「基尺」そろった白木で

積み木遊びは、さまざまな力をはぐくんでくれます。
創造力、表現力、強調性・・・。
「手加減をする」力も、育ちます。
どんどん積んでは、崩れる。
そんな繰り返しの中で、乳幼児たちは、やがて「こうすると、崩れちゃうんだ」と覚えていくのです。


ただ、ある条件を満たした積み木でないと、子どもたちはいつの間にか、
「もう、いいや」と遊ばなくなってしまいます。


それは、「基尺」です。
積み木の基本のサイズのことです。
良い積み木は、基尺の倍数、または二分の一の長さにぴったり合わせ、作ってあります。
基尺がそろっていると、積み上げた時に高さがそろい、
遊ぶ子どもの発想をより豊かに、ダイナミックにします。

積み木の大きさにばらつきがあると、たとえ一個あたり一ミリの違いでも、十個積めば一センチも違ってきます。

お子さんが初めて積み木遊びをするときは、直方体と立方体のみを用意してください。
最初のうちは、自分の背丈まで積み上げるのを楽しむことでしょう。
三角錐の積み木があると、積み上げるのが難しく、
「これ以上、もう積めないや」と断念してしまいがちです。

数は、できるだけたくさん用意しておきましょう。
子どもは、作ろうとする形を思い描いているわけではありません。
「こっちがお城ね」「こっちは王様がいる所」と思いつきで作っていきます。
せっかくイメージが膨らんだのに、積み木が足りなくなってしまうのは悲劇でしょう?

 「字もついでに覚えさせたい」と、平仮名や漢字を書いた積み木もありますが、
白木のものが一番です。無心に遊んでいるときこそ、子どもの想像力は働くのです。

保育園によっては、片付けなくてもいい積み木スペースをあえて設けている園もあります。
「片付けて、明くる日、また一から積み上げるようでは、いつまでたっても大きなものができないから」だそうです。
可能なら、家庭でもそうありたいものです。
きっと、素晴らしい造形ができあがることでしょう。