「端午の節句」は、男の子の誕生を祝うとともに、子どもの健やかな成長を祈る行事です。 「端午」の「端」は「ハジメ」　「午」は「ウマ」を意味し、古来中国では牛の日を忌み、五月初めの牛の日に薬草を使って穢れを払いました。これが、五月五日に固定されていきました。 中国では蓮の冠をかぶり、菖蒲酒を飲み、蘭の湯に浴したといわれています。また、楚の屈原の霊を弔うために竹筒に米を入れて栴檀の葉でふたをして、色糸で結んで川に投げ入れました。これが粽（ちまき）の始まりです。 日本でも宮中では奈良時代から行われていた行事と、民間の田植月である五月に神を祀る風習とが合致して、端午の節供として一般化されました。当日は、宮中で疫病神を追い払う勇武の催しとして騎射が催されていました。これが男の子の出世と無事を祈る祭りとなり、武者人形や武具飾りが行われ始めました。

戦いを重んずることに通じるとして、祓の意味で菖蒲でかぶと形を作ったのが武者人形の起源であるといわれています。また、菖蒲を軒に葺けば邪気を払い火災を免れる、湯に入れて浴せば身心すこやかになるとされました。 鯉のぼりは江戸時代に始まったもので、鯉は滝をさかのぼる出世魚だということ、そして神を招く「招きしろ」として幟を立てたようです。大がかりな鯉のぼりもありますし　ベランダに簡単に立てられるものもあります。